どうもこんにちはこへうです。
今回は暗記について書かせていただきます。
私が東大に受かるまで工夫したり学んだりして得た暗記の方法を書きます。
結論から言うと「①反復」「②五官で覚える」「③工夫して覚える」「④整理する」「⑤自分で再現する」「⑥情報を結びつける」です。
どれか一つだけでも、学生の方や英語を勉強しなければならない社会人の方々などのご参考になれば幸いです。
記憶の仕組み
短期記憶と長期記憶
脳科学ではおおまかに二つの記憶領域があると言われています。それが短期記憶と長期記憶です。
覚えたことはまず「短期記憶」として記憶されます。これは「その日は覚えているけれど、すぐに忘れてしまう記憶」です。例えば今日の昼ご飯ぐらいは覚えていると思います。しかし一週間前の昼ご飯はどうでしょうか?なかなか思い出せないと思います。試験前に徹夜で勉強して、試験の時には覚えている。しかし試験が終わったらすっかり忘れてしまうというのも短期記憶だからです。
これに対して、長く覚えていられる記憶が「長期記憶」です。何年前のことでも、自分にとって大事な日のことは覚えているのではないでしょうか。例えば数年前の旅行でも、どんなことをしたかということを思い出せるはずです。
「その日勉強したことは覚えているけれど、一週間もすれば忘れてしまう」ということがよくあると思います。それは長期記憶として残ってないことが理由です。
短期記憶をしても重要でないものは記憶から消えていきます。そしてその人にとって重要だと脳が判断したものだけが長期記憶として残ります。あらゆることを完全に記憶していては人間の脳がパンクしてしまうからです。
短期記憶から長期記憶にするには、情報を反復するのが大事です。反復することで脳に「これは重要な情報だぞ」と思わせます。
勉強や暗記においては、覚えた内容を長期記憶として保存することが大事になってきます。「一つ一つ積み上げる」ためには長期記憶にしていくべきです。いつまでも短期記憶しかしていないようだと、毎回覚えたり見直したりしないといけません。今回は長期記憶を維持するために私が実践してきた方法をいくつか書いていきます。
反復
復習の頻度と反復
では復習をどのタイミングですればいいのかというと、「翌日、1週間後、1か月後」という頻度で私は確認の復習していました。その間にも反復できるなら可能な限り反復します。今日やった内容はだいたいその日か翌日に記憶が薄れていきます。翌日に一度復習することで記憶が消えるのを防ぎました。そうしたらもう少しは記憶がもって、次に思い出すために復習する時間が減ります。
エビングハウスの忘却曲線によると「1日後に復習をすると、初めて覚えるときより66%の手間で再び覚えなおすことができる」とされています。だから1日後に復習することで記憶の定着を図れます。先に書いた通り、脳は「重要でない」と判断した情報を捨ててしまいます。何度も反復することで「これは重要な情報だぞ」ということを脳に教え込みます。脳の使い方が大事です。
同忘却曲線によると、1か月後の復習では最初に覚えるのと同じぐらいの時間を要します。 つまり復習せずに1か月経つと、覚えてないのとほぼ同じ状態に戻ります。
そこで1か月後にその内容を覚えているかを確認します。このときにまだしっかり覚えていれば、もうしばらく忘れることはないはずです。
暇なときに思い出す
私は暇なときに勉強内容を思い出していました。例えば通学中や自転車に乗っている間に、「昨日やった英単語ってなんだったっけ?」と思い出していました。それで思い出せなかったら単語帳を見て思い出していました。これだと時間も無駄にならないし、自分がちゃんと覚えているか確認できます。反復を繰り返すことで短期記憶から長期記憶に移していくことができます。
五官で覚える
身体に覚えさせる
よく「身体が覚えるまでやる」と言われます。私はこれについて「考えなくても出てくるぐらい覚えること」と「間違ったことを書くと『なんか違う』と感じること」だと考えています。
英単語などは何も考えなくてもパッと出てくるぐらいまで覚えました。「あー、これなんだっけ、あれ、たしか…」となる暇はありません。実際に英語の問題を解いているときや英会話をしているときに、そんな余裕はないはずです。思考を挟まずに反射的に出てくることが大事だと考えます。
そして、それぐらいまで覚えると、間違いを見たときにときに「なんか違うな…」と感じることができます。正誤問題で「パッと見で間違い選択肢がわかる」ようになります。身体が覚えていることと違うからそう感じるのです。そこまでくれば体に染みついていると言えると思います。
目で見る
まずは見て覚えます。英単語なら、英語を見て和訳を見てという風にします。ただしこれだけではなかなか記憶に定着しません。私はこれだけで覚えるのは難しかったです。
手で書く
なかなか覚えられないものを紙に書いて覚えていました。どうしても覚えられないものは何度も何度も、ページが埋まるぐらいまで繰り返し書きました。しばらく経つと忘れているということもよくあります。そういうときはもう一度、覚えるまでやりました。それを繰り返すうちに、同じことを覚えるのに要する時間が減っていきました。
頭の中で音読
手で書きながら、頭の中で何度も音読していました。ゲシュタルト崩壊を起こすぐらい繰り返すとさすがに覚えました。ときにはぶつぶつ小声でつぶやきながら書くこともありました。ちゃんと声を出して音読すると疲れるので、頭の中での音読か小声でつぶやくだけで済ませました。
見ないで再現する。白紙に書く。
覚えられたと思ったら、それを確認することが大事です。例えば英単語なら、英単語の方を隠してから和訳をすらすら言えるか確認します。反対に和訳の方をみて英単語をすらすら答えられるか確認します。私は英語→日本語、日本語→英語の両方を覚えているかをチェックしていました。
白紙に覚えたことを再現出来たら覚えたと言えると思います。そこまでくればもう、試験で聞かれても答えられるはずです。
工夫して覚える
歌
昔から暗記の方法として歌やごろ合わせがあります。これは意外とバカにできません。例えば中国の王朝名を素で覚えるのはけっこう難しいです。私も苦労しました。そこでネットで調べていたら、中国の王朝名を歌にしているものがありました。これが中国史を覚えるためにとても役立ちました。
他にもネットの動画を観て円周率を30桁ぐらいまで覚えました。暇つぶしでした。覚える必要性は全然なかったです。ですがなんとなくいい気分になったし、記憶力のトレーニングになりました。
歌は一度覚えるとかなり強力に定着します。だから、歌で覚えられることは歌で覚えるといいと思います。先生や友達が知っていたり、ネットに転がっていたりするかもしれません。もし見つけたら少し時間を使ってでも覚える価値があります。
お恥ずかしい話、私は干支を思い出すときに、小学校の給食時間に流れていた曲を頭で歌っています。それぐらい強力に残るし、確実に思い出せます。
ごろ合わせ
同じ理由で、ごろ合わせもなかなかバカにできません。いいくにつくろう鎌倉幕府とか、すいへーりーべとかそういうやつです。楽に覚えられる方法があるなら、それに越したことはありません。
工夫する
ちなみにどうしても覚えられないものがあるとき、私は無理やり覚え方を作っていました。
例えば、「疑」という漢字を覚えるのに苦労している時期がありました。それでも覚えなきゃいけないと思った私は「ヒマやー」と覚えることにしました。「ヒマ」「矢」「ア」を組み合わせると「疑」っぽくなります。プライドとか必要ないです。覚えられればそれでよいと思います。
どんな方法でもいいので、なんとか工夫して覚えるとよいと思います。そうするとだんだん覚えるのも上手になってくるはずです。
整理する
まず目次と表題を覚える
丸暗記というのは意外に効率が悪いです。それよりも情報を整理して覚えたほうが頭に残りやすいです。そこで私はまず目次と表題を覚えることにしました。特に社会などでは有効でした。「古代」「中世」「近代」「現代」などの章立てをまず覚えて、そこにどういう表題があったかを覚えます。そして、その中でどういうことがあったのか、どういう人が出てくるのかを覚えていきます。
まず目次を思い出して、その後さらに細かいことを思い出す、という風にしました。
大まかな流れをおさえてから肉付けする
だいたいどういう内容なのか、「骨」となる部分をまずおさえます。大まかでいいので、自分で説明できるようになるのが望ましいと思います。私は「人に大まかな流れを説明できるか」を確認していました。例えば「1894年から日清日露戦争と第一次世界大戦があって、そのあと日本が国際的に孤立していって日独伊三国同盟とか結んで第二次世界大戦に進む」という風に説明できるようにします。
そこはしっかりおさえてから、細かい知識を「肉付け」していきます。「日清戦争は1894年で講和条約は下関条約、日露戦争は1904年でポーツマス条約、第一次世界大戦は1914年と10年おきに戦争があった。それから満州事変があって…」という風に細かく情報を入れていきます。
覚えたか確認するときは、まず大まかな流れを思い出してから、そこに細かい情報を付け加えていきます。たいていの場合は細かい情報で思い出せないことがあるので、それをまたテキストを見て確認して覚え直します。
大まかな流れを押さえて「できることからやる」。そうすると暗記に対する抵抗感は減っていくんじゃないかと思います。
自分で再現する
覚えたと思ったら、次はそれを確認する必要があります。
紙に書く
白紙を用意して、そこに内容を書けたら記憶されたということになります。そうなれば試験などで聞かれても答えられるはずです。しかしまっさらの状態でいきなり全部書いていくのは難しいです。私は覚えた目次や表題を最初に書くことにしていました。その後に、目次や表題に沿って覚えた用語などを書きだしていきました。その中で覚えていないことがあれば再度テキストなどで確認して、覚えました。
白紙にいきなり書くのも難しいときは、テキストの問題などを解いていきました。時間がない時は白紙にいきなり書くのではなく、テキストの問題を解いて何度も繰り返します。答えを隠してもう一度、という風に反復していました。一瞬で答えられるようになればクリアです。
頭で再現する
先に書いた通り、私は暇なときに、勉強したことを頭で思い出していました。まず目次を思い浮かべてから、そこに細かいことを付け加えていきます。どうしても思い出せないことがあった場合、テキストで確認しました。
あとは授業やテキストを頭で再現するということもしてみました。先生の話していた内容を覚えていればクリアです。覚えているかどうかの基準は「同じことを人に対して説明できるかどうか」です。一言一句完璧でなくても構いません。だいたい同じ内容を再現出来ればOKとしました。「思い出そうと思えば細かいところを思い出せる」状態なら記憶できている、と判断しました。
これは通学中や自転車に乗っている間など、他にやることがないときにやっていました。また、寝る前にこれをやることで寝るまでの時間を有効活用できました。眠れなかったら復習ができるし、眠れたら夜更かしせずに済む、と考えていました。たいていの場合眠くなって寝てしまいました。
このように、覚える上ではアウトプットをするのがとても重要になります。覚えたかどうかをアウトプットをして確認していきました。
情報を結びつける
複数の情報を結ぶ
複数の情報を結びつけると記憶に定着しやすいです。例えば一つの英単語を覚えたら、その類義語を一緒に覚えてしまうとか、対義語を一緒に覚えてしまうとかすると記憶に定着しやすくなります。
情報の関連性を知る
情報同士がどういう関係になっているのかを知ることでも記憶しやすくなります。例えば英単語で「dis-で始まる言葉は否定の意味を含む」など、共通事項を知っておくとdis-で始まる単語の意味がなんとなくわかります。
共通事項や関連性を探す癖をつけることで、思考力もついていきます。複数のものを結び付けたり比較したりすることは思考力につながります。思考力を養うことで初見のものにも対応できるようになってくると思います。
情報をネットワーク化することで、知識も思考力も伸びていきます。
とはいえ量が大事
情報同士のネットワークを作るうえでも、結局「量」が必要になってきます。知識が多ければ多いほど覚えるのが楽になってくると思います。私は勉強を始めた当初、全然知識がなかったので覚えるのが大変でした。しかし勉強をして知識が増えてくるにつれて「あれ?これってあれと似ているな」「ん?これとこれって同じようなことじゃないか?」ということが増えました。そうするとだんだん新しいことを覚えるのも楽になっていきました。
まとめ
・短期記憶ではなく長期記憶にしていくのが大事。
・反復して記憶を定着させる。可能な限り反復して、翌日、一週間後、一か月後と、覚えているか確認する。暇なときに思い出すことで時間を有効活用して復習できる。
・五官で覚える。目で見て、手で書いて、音読して、体に覚えさせる。目を閉じて再現してみて覚えたかどうか確認する。
・工夫して覚える。歌やごろ合わせを使って効率よく覚える。自分なりの覚え方を作ってもいい。プライドは捨てて頭に入れる方法を考える。
・整理する。まずは目次と表題を覚えて、それに沿って細かい知識を入れていく。大まかな内容の流れを押さえて、そこに肉付けして覚えていく。
・自分で再現する。覚えた内容を白紙に書いてみたり、頭で授業やテキストを再現してみたりして、ちゃんと覚えているか確認する。覚えていなかったらまたテキストなどに戻って確認する。覚える上ではアウトプットがとても重要。
・情報を結びつける。情報同士の関連性を知っておくと覚えやすい。類義語や対義語など、二つ以上の情報をくっつけられると強固に定着する。情報のネットワークを作るのが大事。知識量は正義。
最後に
いかがだったでしょうか。「そりゃ知ってるよ」という話も多かったかもしれません。
覚え方も人それぞれだと思います。自分なりの覚え方をある程度確立しておくと、一生使える武器になるのでとてもいいです。
「根性で丸暗記していく」というのは違うと思います。覚え方を工夫するのも大事だし、知識一辺倒ではなく思考力を付けることも大事です。しかし私の場合、知識の量が増えてくると思考力も伸びました。勉強を始めるときはまず知識を入れてみるといいのかもしれません。効率よく覚えていきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでもお役に立てることを願っております。
コメント